fusionPCBで自作基板を作成

fusionPCBで自作基板を作成

これまでArduinoやRaspberry Piでモータを使うときはブレッドボードを使っていましたが、複数同時になってくると配線が面倒な上、邪魔になってしまうので、思い切って基板を自作することにしました。

本記事では機械設計しか知らない完全初心者が基板を作成するにはどうすればいいのかを紹介します。(ソフトの操作方法などは載せてないので別で調べる必要があります)

回路・基板設計

まずは回路設計を行う必要があります。今回は、ラズパイの拡張ボードとしてモータードライバを2個載せた回路となります。基板作成で使われるソフトは色々ありますが、私は無料で機能も豊富なKiCadを選びました。

使うのが初めてなので本でも買おうかと思ったのですが、良さそうな物が無かったのでどうしようか悩んでいました。色々探して最終的に下記のテキストを見つけました。

こちらの内容が非常に充実しており、全く操作方法を知らない状態からでも基板発注まで出来てしまいます。

KiCadでは業者に基板を発注するためのデータが作成できますが、まずはソフト上で回路を構築する必要があります。今回は下記のような感じになりました。全然整理出来ていませんが、とりあえず配線はできています。

なお、モータドライバのシンボルは自作する必要がありました。

これはあくまで回路図であって、実際の部品とは結びついていないので、フットプリントの割付を行います。予め用意されているフットプリントも多いですが、無い場合は自作します。

割付が終わったら基板に配置して配線を行います。基板自体はできるだけ小さくしたかったので配線はそれなりにごちゃごちゃしています。線が重なるのはNGなので裏に行ったり表に行ったりしながら配線します。

また、基板設計初心者なのでベタという概念も今回初めて知りました。悪戦苦闘しながら出来たのが下記の基板です。

基板発注

これで基板の設計自体は出来たので、基板発注の準備をします。発注する業者は記事タイトルにもある通りFusionPCBです。こちらへの発注方法は上記で紹介したテキストに記載されています。

発注にはガーバーデータと呼ばれるファイル群が必要になるので、KiCad上で出力します。実際には下記のようなファイルとなります。

これらのファイルをzipで固めて、下記サイトにログインの上、アップロードします。

基本的に設定をいじる必要はないと思いますが、製造枚数がデフォルトで10枚になっているので、そんなに要らないなら5枚に変更しておきます。

 

気になるお値段ですが、送料込みで約20ドルです。但し、5ドルのクーポンを持っていたので実際は15ドルでした。基板自体が5ドルで送料が15ドルなので実際には送料しか払っていないような金額です。

これで商売が成り立つのか不思議なくらい安いです。

基板確認

基板は10日で手元に届きました。中国からの発送なので十分早いと思います。届いた基板は下記のような感じです。基板の品質の善し悪しは良く分かりませんが、見た目は全く問題ありません。

これに部品をはんだ付けしたのが下の写真です。一部汚くなっていますが、動作には問題無いレベルです。

更にこれをラズパイに搭載すると下記のような感じになります。写真では伝わりませんが、しっかりと動作しています。なお、このモータはエンコーダ付きですが、ちゃんと角度情報も取得できました。

所感

今までずっと、何かを動かすときはブレッドボードを使っていましたが、これで基板が作れるようになりましたので、これからは積極的に作っていきたいと思います。